『100万人が追い詰められないために』なぜ、ひきこもり新聞を創刊するのか 木村ナオヒロ


 

私の願い

私から、ひきこもり続けている人にお願いしたい。
決して絶望しないでほしい。
その経験には必ず意味がある。

ひきこもった経験があるからこそ、ひきこもりの苦しみを理解できる。優しくなれる。だから、人生を賭けて紡ぎだした物語を共有させて欲しい。痛みや苦しみの経験は、他の誰かを癒すかもしれない。

私は多くのひきこもり経験者の体験を聞いて救われた。同じ苦しみを経験した人がいるのだと知ったとき、人は孤独ではなくなるからだろう。

人間関係を失い孤独に苦しむひきこもりが人間関係を取り戻し、孤独から抜け出すためには、まずは同じ経験をした人々と接することが必要だと思う。その時、ひきこもった経験は無駄では無かったと知ることになる。

だから、どんなに失った時間が多くとも、決して絶望しないでほしい。その苦しみには必ず意味がある。その苦しみは、まだ見ぬ人の救いになる。

ひきこもり状態を幸運にも抜け出した人にお願いしたい。
いまだひきこもり続けて苦しんでいる人をどうか見捨てないでほしい。石のように体を動かすことができない人、全く希望を持てずに時間だけが過ぎていく人がまだ大勢いるということを忘れないでほしい。苦しみを乗り越えたという自信を持って、共感的な場で同じひきこもり当事者・経験者に体験を語ってほしい。

ひきこもり家族や一般の人にお願いしたい。
ひきこもり当事者の声にもっと耳を傾けてほしい。ひきこもりが抱える苦しみは様々で一様に解決する方法はない。多様な問題が背景にある。だからこそ、一人一人の声をきちんと拾ってほしい。マスメディアが作り出すイメージや一般的な価値観で切り捨てないでほしい。

沈黙する時代を終わらせる

暴力的支援団体とそれをヒーローのように扱うメディアは支持できない。
暴力的支援団体による悲劇が起こらないことを願っているからだ。
ひきこもり新聞の創刊によって、当事者が沈黙する時代を終わらせたいと思う。


7 Comments

  1. さすらいのスプレンダー

    遠方からですが、応援しています。木村さんの言葉は力強くて励みになります。

  2. 引きこもりはとてもつらい

    引きこもりは引きこもり自身も自分を責めているし恥じているし
    また、同じ引きこもりの仲間すらも軽蔑している。
    そして引きこもりから脱した人間も元・引きこもりとして現・引きこもりを軽蔑しがち。
    要するに仲間がいなさすぎるし、引きこもり経験自体を誇れない。

    がんじがらめのスパイラルの様に苦しめられ、自分で自分を責め、孤立していく。
    斎藤環さんが引きこもり全国連合会とかがあればいいとあったが本当にそう思う。
    お互いにお互いを尊重し、共同体の様な形でこのような場がきっちりと存在すると良いなと
    感じる。引きこもりは構造が複雑すぎる。
    とりあえずでもいい、こういう場をもっと大きく、強固に、あってほしい。
    引きこもり全国連合会には大賛成です。

  3. やまちゃん

    引きこもるのは素晴らしいことです。

    自分を騙して殺して誰かの決めた価値とルールに盲従してはなりません。

    社会に対して感じている違和感はあまりにも純粋で正当なものです。

    では先の見えない中での羅針盤とは?

    楽園主義です。

    http://www.ja.paradism.org/
    https://www.youtube.com/watch?v=nPiBd0Z1c0g

    資本主義の役割がもうすぐ終わるなかで次なる指針をだれもが求めています。

    ニートの方々は感受性が鋭いのです。
    その優しさ、柔らかさこそが次の時代を作ります。

  4. あずさ

    ひきこもり経験ありの、アラサー女子です。ひきこもりの経験を活かして新聞を創刊されている木村さん、応援しています。

    私自身はひきこもり後働いてますが、仕事を転々としながら今も人生しっくりすることなく(笑)、毎日送ってます。ひきこもりのときからの最大のテーマである、自分は何故生きているのか、自分がどこに向かっているのか、向かったらいいのか、まだわかりません。今も思考錯誤中で、精神及び肉体鍛練のために誰も知り合いのいない田舎に引っ越してみたけど田舎には田舎のしがらみがあり、都会だから、田舎だから人生楽になる訳ではないのだなと実感しています。でも田舎には逞しく生きている人が都会より多い気がするので何か学べそうです。

    生きずらさについて、一人では見いだせないことも、同じように考える人と話したり、仲間がいると感じれれば心強いし、何か変わるのではないかと思います。同志がいることを知るってすごい落ち着きます。日本のひきこもり、世界のひきこもりで力を合わせたら結構な勢力になると思います。私も元引きこもりとしてひきこもり新聞を通して引き続きこのテーマについて考え、繋がっていきたいと思います。

  5. くろこ

    私も引きこもり経験がある者です。今は何とか日々を生きています。
    引きこもっている当時、テレビやメディアが流すステレオタイプの引きこもりのイメージが本当に嫌でした。特に、職員が暴力的に本人の部屋に押し入る映像は、更生という目的であっても怖くて仕方ありませんでした。打ちのめされるような感覚になる自分が悪いのか悩んだこともあります。でも、木村さんの経験から、ひきこもり新聞のような当事者から発信できるサイトの場が出来たことを嬉しく思います。救いが見えた気がしました。これからも応援しています。

  6. のりこ

    引きこもりの息子の母親です。
    彼は引きこもるだけでなく、言葉も全く喋りません。だから、その治療のため、精神科へ連れて行きます。
    しかし、息子は、治す必要がないし、治る気も無いという考えです。

    早く治ってほしい、と願ってきましたが、どこかで喋れない息子が羨ましいというか、このままでもいいのじゃないかという相反する思いも無いとはいえません。私自身は喋れてきた。でも、人と関わる事で苦しむ事も多かったからです。

    こういう人生も一つの選択肢なのかもしれません。そのための就労支援、互助システムなど、ゼロか100かでない何らかの支援が得られればと思います。
    世の中、健常者でもなく、障害者にもなれない人が山ほどいるのに、どちらかしか無いという法律ではしんどいです。置き去りにされる人はいっぱいいると思います。非常にもったいないと思います。

  7. ともさん

    13年間、引きこもりの弟(38歳)がいます。
    私は兄で42歳、両親は70歳です。
    大学卒業と当時に実家へ戻り、何もせず3年が経過し、その後一度就労するも、パワハラをきっかけに退職、以来引きこもっています。
    非常に起伏が激しくなり、両親への暴言、軟禁、暴力が始まっています。また、私に対しては、殺害予告をするようになりました。
    県内の相談所、支援機関へ度々相談しましたが、どうすることもできないの一点張りで、最後は弟を残して夜逃げを提案されました。
    両親や我々親近者は、絶望の淵にいます。このように、本人はもちろん、親族も社会から取り残され、国や行政から無視されて、死んでいくのだと、思う他ありません。世の同じような環境にいる方々で、その果てに、殺人や心中が度々起こるにも関わらず、どうして放置しているのか、理解できません。
    現在、両親を連れて、弟からの逃亡を計画しております。相談さきや気持ちのやり場がない状況で、こちらのサイトにたどり着きました。
    同じような環境にある皆さんはどのように過ごされているか、気になりメッセージしてみた次第です。