居場所レポート ひきこもり新聞編集会議編 ~ヨナタンからの手紙~ 第一回


……ひきこもり者たちの共同謀議

さて会議では、発刊までのスケジュールなど技術的なものを始め、記事のアイデア出し、さらには新聞の理念・基軸となる思想に至るまで、活発な論議が交わされた。機密事項も多いので詳細は公にできないが、注目すべき現象として、メンバーたちが、各々別の観点を保ちつつ、プロジェクトが少しでも良きものとなるようにと一致して計らっていたこと、また席上、誰に命ぜられることもないのに、自然に役割分担が発生し、調和のとれた器楽合奏のごとき進行が為されたことなどは、読者諸氏にぜひとも伝えておきたい。

ひと言でいえば、自然な協働作用(「共同」ではない)が生じていたのだが、これはわれわれのような種族にとっては、これはたいへん望ましい経験なのではないか。

これまで集団の中で、疎外感・恐怖・いじめなどに苦しみ、他の人たちともにいることに大なる不安を感じざるをえなかった人にとっては、こうした場に身を置くことには、一種のセラピー的な効果があるようにも見える。

……もちろん、会議自体はまったく別の目的を追求する場であって、毎回そうなるとも予測できないのだが、こうしたヒーリング的側面が伴うのは否定できないと思われる。

……将来の同志たちへ、求ム協力者

われわれの秘密会議は、現在、都内某所にて、月1~2回ほどの頻度で不定期に開催されている。編集部員、記事提供者とも依然不足しているので、興味のある方は編集部にコンタクトを試みたい……といいたいところだが、残念なことに、現段階では、WEB上での読者諸氏との交信環境が整っていない。

よって、ひきこもり系の居場所やイベントの場に、もしヨナタンを名乗る人物が現れたら、ひとこと声をかけて頂ければ幸いだ。

私の活動範囲の都合上、実質的に首都圏在住の方限定となってしまうのが残念だが、あなたがわれわれの共同謀議の場へと導かれるよう、こちらから手配すると約束しておく。