北海道の大自然で心を解き放つことが出来たら、どんなに気持ちいいだろうか。青い空、広大な大地、湖底に沈んだ流木まではっきりと見える透明な洞爺湖。新鮮な空気を思いっきり吸って、目の前に広がる美しい景色を見たとき、人の心は強く揺さぶられる。
「ひきこもりの人たちを北海道の自然で癒したい」
山口がんばろうさんは民家を買い取り、NPO法人「洞爺湖畔仲間の家」を始めた。2017年は、民泊サイトAirbnbに登録して数百人の外国人に利用してもらい好評だった。2018年からは、いよいよ念願だったひきこもりの人たちを受け入れることにした。
驚くことに、仲間の家では、宿泊代、食事代は一切かからない。天然温泉を完備し、Wi-Fiも無料で使うことが出来る。施設を利用するために必要なことは、洞爺湖の湖畔から100メートルに立地する仲間の家に来ることだけ。山口さんは、私財を投げ打ってひきこもりの人たちの社会復帰を手伝おうとしているのだ。
中国の大学で教鞭をとっていた山口さんは、退職後はひきこもりのために人生を使いたいと考えていた。3年間ひきこもっていた青年を、2年間かけて社会復帰させた経験がずっと頭の中にあったからだ。ひきこもりの人は心に深い傷を負っている。環境を変えて、失われた自分の存在価値を取り戻してあげたい。そんな思いから選んだのが北海道の洞爺湖畔だった。
仲間の家では、自治体や農家とも連携した支援を考えている。例えば、農園のお手伝い。過疎化が進む地域では、ほんの少しの手伝いでも感謝される。「ありがとう、ありがとう」とシャワーのように感謝の言葉を浴びることになる。地元の人の期待は大きい。
日課は、自分で決めることができる。マイペースで挑戦することが許されているため、数カ月に渡る滞在も可能だ。トラウマを癒しながらゆっくり前進できるように配慮されている。
山口さんは、中国で「日本式ビジネスコミュニケーション論」「日本ビジネ ス人材育成論」など人材育成教育の講義を続けてきた。山口さんから日本式のおもてなしを学んだ学生は、のべ7万人を超える。
「おもてなしと国際交流も北海道で」
まさに、至れり尽くせり。仲間の家では成長できる環境が用意されている。
入所相談は、電話・メール・LINE で。 携帯:09060651668 LINE :08068890396 メール:ganbaro365@yahoo.co.jp
(文・木村ナオヒロ)