この人に注目!「ひきこもりUX女子会」主宰:林恭子さん 『だれもが否定されずに生きられる社会を』


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この人に注目!林恭子さん

『ジャパン・タイムズ』にも紹介されるほど、ひきこもりの女子会が話題になっている。
ひきこもり女性会の火付け役でもあり、自身も当事者経験のある林恭子氏へ話を聞いた。

――林さんのひきこもり経験を教えて下さい

高校2年で不登校になり20歳までほぼ自宅でひきこもりました。アルバイトを経て26~28歳の頃再び自宅でひきこもります。

――当事者団体活動をしようと思った動機はなんでしょうか

長年ひきこもり支援内容の多くは当事者不在で考えられ、当事者について語るのも支援者や専門家たちでした。
10年ほど神奈川で不登校・ひきこもりに関わるうちに、自分を含めて当事者・経験者が人前で話す機会が増えてきたことから、自分たちのことは自分たちで語り、支え合い、提案していきたいと考えたことがきっかけです。

――UX女子会をやってみての感想をお願いします

ひきこもりにも女性は多くいると想像はしていたものの、それを遥かに超える反響や共感をいただき初めは大変驚きました。
それぞれの置かれている状況や抱える問題に違いはあっても、孤独感や行き場のない思い、共感し合いたい気持ち、繋がりたい気持ち、未来に希望を持ちたい気持ちなどは同じだと感じました。
東京でも京都でもこのような場が必要とされていることを強く感じたので、今後全国に広がって欲しいと思っています。

――実際会ってみたひきこもり女性達の想像と現実のギャップはありましたか

それはまったくありませんでした。ずっと昔から周りに同じような経験をした女性たちが多くいたので。

 

だれもが否定されずに生きられる社会を

――女性のひきこもりについて思うことをお願いします

女子会に参加した女性たちはそれぞれ個性的で賢く、今は自己否定の気持ちが大きいと思いますが、回復したあかつきには大変魅力的な女性として花開いていくのだろうと思いました。
仕事をしなければ、自立しなければという気持ち(縛り)は10~20年前より強くなっており、その分つらさやきつさも増していると感じます。
女性は男性よりも自然(天候や季節)に影響されやすく、年代によっても心身の状態に変化があります。
母と娘の関係や、様々な経験から男性に対して不安な気持ちを持つ方もいることから、女性だけで安心して集まれる場が必要だと感じています。
また男性以上に「こうあるべき自分の姿」に苦しむ人もいます。
今の自分の気持ちを共感を持って聞いてくれる人や場があるだけでもずいぶんと違うのではないでしょうか。
結局のところ、男性も女性もそうでない人も、仕事をしていてもしていなくても、子供が居ても居なくても、一人でいても複数でいても、だれもが否定されずに生きられる社会を作らなければ解決にはならないと感じています。
ですがその前にまず、自分を癒し愛せるよう、また「~べき」から解放される術を一緒に考えていきたいと思っています。

――居場所をやりたい人へ伝えたいことはありますか

居場所の主(あるじ)に必要なのは何もしないこと。ただいつもそこに行けば居る人になるのが一番良いのではないでしょうか。
以前私が関わった居場所では「いつも困っている主(あるじ)」がいて必然的に参加者がフォローし和やかな場になっていました。

――最後に、全国の女性のひきこもりへのメッセージをお願いします

私に大きな力を貸してくれた医師は私にとって8人目の支援者でした。
あきらめずに支えてくれる人を見つけてほしいと思っています。女性だけで安心して話したい人も、男性や当事者以外が居る方が良いという人もいるでしょう。
きっとどこかにそんな場所があります。したたかに、粘り強く、共に、生きていきましょう。(そしてどこかでアタフタしている私のことも助けてくださいね) (聞き手 石崎)

 

【プロフィール】
横浜市在住。高2で不登校20代半ばでひきこもりを経験。信頼できる精神科医と「ひきこもりについて考える会」での多様な人々との出会いを経て30代半ばで回復に向かう。
現在はNPOでアルバイト兼古書店経営。「ひきこもりUX会議」「新ひきこもりについて考える会」「ヒッキーネット」メンバー。


4 Comments

  1. ひきこもり新聞編集部です。
    個人情報が含まれていたため反映はされていませんが、
    2017年8月15日に、当記事コメント欄より編集部へお問合わせを頂いた方へのご連絡です。
    (※明記されていたメールアドレスにて送信エラーが出てしまったので、こちらに書かせて頂きます)

    ひきこもり新聞とは他団体となりますが、
    上記の記事でインタビューさせて頂いた林恭子さんが所属している、
    ”ひきこもりUX会議”という団体が、今年の9月より全国10都市で、
    『ひきこもりUX女子会 全国キャラバン』を開催することが決定しています。
    (詳細は下記サイトをご覧ください)
    http://blog.livedoor.jp/uxkaigi/archives/1066915380.html

    各地域、様々な形で人手が必要になることが予想されますので、
    もし気が向かれましたら、ひきこもりUX会議のメールアドレスまで、
    直接お問合わせされてみてはいかがでしょうか?
    主催者より何らかのお返事は頂けるかと思います。

    ひきこもりUX会議メールアドレス: uxkaigi○gmail.com
    (○の部分をアットマークに修正をお願い致します)

    何卒よろしくお願い致します。

  2. 松ヶ下 秀子

    はじめまして。TVの林様のお話しを拝見して、これまで自分が、やりたかった事ととても近く、感銘いたしました。
    どうぞ、何かの形で、ご協力させて頂きたいと存じます。お返事お待ちしております。

  3. 町田相模大野

    今年始め 林恭子さんが、町田市に講演されるのを聞いて、「本当に、その通りだと実感しました」社会に適応させるように、して、主体的に、物が言えない。だから 生きずらい。逆にいうと 大方の世間の人が、言われるまま で、だから 意見いうといじめられる。ムラ社会だからです。「おかしいと考えない」「ごまかす」だから どこも 当事者目線でない。みんなが、同じ考えのように「構成員」になることが、社会適応とか考えてる、この地域「相模原、町田」なのです。すごいインパクトがありました。支援は、支援者のゆう通りに、なることでは教師のいう通りになる、ないのです。ロボットではない。個々 違うことが、わかってない。それをいうと ひきこもり不登校が、「おかしい」となるのですね。